なぜフィギュアの曲ってダブることが多いのでしょうか?
トリノ五輪では高橋大輔と村主章枝のフリーが共にラフマニノフのピアノ協奏曲。
今季も織田信成と浅田真央がハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」で被っている(もっとも織田はSPで、浅田はフリーでだが)のを始めとして、映画「SAYURI」の曲を使っている選手が多かったり毎年誰かしら曲が重複します。
長年感じていたこの疑問について、興味深い記事が読売新聞に先日載っていたので転記しておきます。
「個」で動く選手、ダブり多い使用曲(2008年12月23日 読売新聞)
13日に終了したフィギュアスケートのグランプリファイナル(韓国)で、安藤美姫選手(トヨタ自動車)がフリーの使用曲を変更した。
最初の曲が中野友加里選手(プリンスホテル)と同じだったため、シーズン途中の決断に踏み切った。
なぜ、同じ日本のトップ選手同士で音楽が重なってしまったのか。
フィギュアスケートの世界は、「チーム」でなく「個」で動いているからだ。
選手は通常、シーズンが終わると、振付師とともに楽曲を選び、次のプログラムを作る。
夏場のショーで新作をお披露目する選手もいれば、曲名だけを発表したり、直前まですべてを伏せる選手もいる。
選曲に際し、スケート連盟が調整に入ることは、まずない。
その結果、今季は当初、安藤選手と中野選手がクラシックバレエの名作「ジゼル」で重複した。
2人が同じ曲だと知ったのは、7月末のアイスショー後の記者会見。
「お互い知らなかった」(安藤選手)、「驚いた」(中野選手)と2人は戸惑いを隠さなかった。
ただ、フィギュア向きの音楽は限られているため、使用曲が重なることは、そう珍しいことではない。
金妍児選手(韓国)が今季のフリーで使っている「シエラザード」は、かつて、伊藤みどり選手や、ミシェル・クワン選手(米)、2007年世界選手権で優勝した安藤選手らが採用した女子の“伝統曲”。
アカデミー賞の作品賞に輝いた「グラディエーター」がヒットしたころは、この映画のサントラから曲を選ぶ男子選手が多かった。
今季を見ても、男女の違いこそあれ、浅田真央選手(愛知・中京大中京高)のフリー「仮面舞踏会」は、織田信成選手(関大)がショートプログラムで使っている。
10月のスケートアメリカで中野選手の直後に滑走した安藤選手は、「人と同じだと印象が薄れる」と感じ、変更を決めたという。
新しい曲は、サンサーンスの「交響曲第3番オルガン付き」。
シーズン途中の変更は、滑り込みが不足するなどのマイナス要素もはらんでいるが、「プラス思考で替えた」と安藤選手。
25日から長野市で始まる全日本選手権にも、新曲で挑む。(宮崎薫)
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